レヴィオルストーリー2


突如響いた、凛とした女性の声。



クウェンナはその声にピタリと動きを止めた。




アレンを見据えたまま真っ青になっていき、振り返って絶句する。





即座に少年から手を離し、短剣も握り直して刺そうとするのをやめた。



締め付けられていた気管にいきなり酸素が入り込んでアレンは咳き込む。










『クウェンナ。貴方今、何をしようとしたかわかっているの?』




女性は黒い艶やかな長髪を波打たせながら、自分達に向かって歩んでくる。




アレンはその目を見て驚いた。




見たことがない、異色の瞳。





女性は銀と黒の美しいオッドアイを持っていた。












『…あ、あの、すみません。ついカッとなってしまって…。』




目の前まで来た女性を見上げ、クウェンナはびくびくしながら謝った。




彼を見下ろす女性は物凄い威圧感を放っている。







大人に敬語など使わないのに、あんなに怯えて…。





アレンは暢気に何だか変な気持ちになった。







< 626 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop