レヴィオルストーリー2
しばらくアレンを観察してから、女性は形のいい紅い唇を開いた。
『感情のコントロールが得意なのね』
『……………。』
アレンは黙りを決め込む。
それすらも愉快そうに見つめ、女性は微笑んだまま尚も話しかけた。
『というより、感情を圧し殺すのがかしら?』
『……おれに何の用ですか』
やっと返事をしたアレン。
頭に乗った女性の手を退けると、立ち上がって目の前の大人を睨んだ。
怖いなんて関係ない。
『殺すなら早く殺せよ!』
そう、もう死にたいんだから。
『…そんなに死にたい?』
女性は目を細めてアレンを見下ろすと、服の下は痣だらけの小さな体に目を止めた。
フーン、と興味津々に眺めてからにっこり笑う。
『心配しなくても将来殺してあげるわ。だからそのまま死にたいって考えでいてくれる?』
その方が殺りやすいでしょ、そう付け足してまたも女性は妖しく微笑む。
『…今がいい』
『駄目よ。今はね』
『何で?』
『さぁ?』