レヴィオルストーリー2
『…さてと。本当は貴方にも姿を見せる予定はなかったのよね。』
女性はそう言いながら、怯えるアレンにゆっくり近寄ってくる。
ハッとした小さな子供は慌てて逃げようとしたが、クウェンナに捕まってしまった。
女性は何故かそこで驚く。
『嫌だ!クウェン兄、離して!』
『うるさい!ジッとしてろ!』
揉み合いになったがガツッと頭を殴られて、結局はアレンが大人しくなった。
『…ダーチェス様、どうぞ』
クウェンナは乱闘の末息を切らしながらアレンを渡した。
ダーチェスと呼ばれた女性はアレンをクウェンナに持たせると、その顔を覗き込む。
アレンは意地になったのか睨み付けると、ふいっとそっぽを向いた。
『…まさか』
小さく呟く美しい女性。
その様子にクウェンナは首を傾げた。
『ダーチェス様?』