レヴィオルストーリー2

しばらく考え込んだ後、ダーチェスはクウェンナに質問をした。



『…この子はまだ魔力に目覚めてないんでしょう?』


『…え?はい。そうですけど…』


何故?とわからない様子のクウェンナ。




『…今、私の魔法を破ったわ。金縛りしてたのに…』




その呟きに、アレンの腕を掴むクウェンナの手に力が籠った。




『…そんな筈は。いくら今力が半分だからって…』

『そうよね?おかしいわ…』


ブツブツと話し込む二人。



かなり気になる会話だが、アレンは一点を見つめて放心状態になっていた為そのどれも聞いていなかった。


そっぽを向いた先に、何かがいたのだ。


今もそこに飛んでいる。




アレンの様子に気付いた二人が、そこに目を移した。









そして、絶句する。












『…久しぶりねダーチェス』




それは喋った。



女性に向かって。





身体から虹色のオーラを放ち、それと同じ色の羽を羽ばたかせ佇ずんでいるのは。










────美しい、精霊だった。










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