レヴィオルストーリー2
突然の来客に、ダーチェスとクウェンナはこれでもかというくらい驚いて黙り込んでいる。
アレンはあの精霊が何なのかを知らない為、ただその美しい姿に見とれているだけだった。
『……虹の、精霊…』
クウェンナがようやく掠れた声を出し、それによってあの小さい妖精の正体がアレンにもわかった。
『…虹の?精霊??』
精霊自体あまり知らないアレンはよく理解できず、再び輝く虹色に目を戻す。
虹の精霊は小さな子供と目が合うと、柔らかに微笑み近付いた。
そしてまたその小さな口で喋る。
『はじめまして、アレン君』
『…………はじめまして』
たっぷり警戒したっぷり時間を置いてから、アレンは囁くように返事を返した。
にこりともせず精霊を凝視する幼い少年に、虹の精霊は少し驚いたようだ。
小さな小さな、でも妖精の中では大きい目をちょっと見開いてから、悲しそうに眉を下げ笑った。