レヴィオルストーリー2

『…大丈夫、私は貴方に危害を加えたりしない。助けることも出来ないけれど…』



妖精が悲しそうな理由はそれだった。


話を聞いたクウェンナは、若干ホッとしたように力を抜く。



それを目ざとく見ていた精霊は、キッとクウェンナを睨み腰に手を宛て、細い指を突き出した。




『いいこと。私は忠告しに来たの。これ以上掟を破れば制裁を下すことになるってファンリュジョンからの伝言もあるわ。

だいたい貴女はこの次元にいちゃいけないのよ、ダーチェス』



小さいくせにかなり偉そうに言う。



この妖精からファンリュジョンの名が出たことに、アレンは驚き同時に悲しくなった。








(…神様なんている訳ない。)




この精霊も信じるだけで何もしないタイプだ。




助けることは出来ない、と言っていたし。






結局みんな同じ。



見てるだけ。



根拠も証拠もない噂を流して、



おれを見せ物にしたてあげるんだ。








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