レヴィオルストーリー2
『やめなさい!』
クウェンナの手のひらの向こうに、精霊が一生懸命叫んでいるのが見えた。
羽根をダーチェスにわしづかみにされ、怒鳴っている。
『あら。クウェンナはまだ掟を破っていないわ。あれも違反なんてしてない筈よ』
『そうだけど…何て酷いこと!』
ダーチェスの言葉に精霊は暴れながらまた怒る。
『酷いのは人間でなくて?人間のせいであの子は死にたいなんて言ってるのよ』
『…いつか仲間ができる!だから諦めないでっ』
必死な虹の精霊の叫びに、アレンは表情を歪ませた。
それを見てクウェンナとダーチェスが同時ににやつく。
『安心しなさい。仲間が出来たりしても私が壊してあげる。
貴方は死にたいとだけ思っていればいいの。
…死ぬのは、私たちが現れるまでお預けだけどね』
妖しく艶やかに笑みを浮かべ、色っぽい声で言うダーチェス。
『仲間なんて作ったら今より絶望に陥れられるだけだよアレン。』
そう言いながらアレンの額に手のひらをつけたクウェンナ。
『俺とあの方が片っ端から壊してやるよ。
絶望のどん底に落ちてから死なせてあげる』
その直後クウェンナが何か呪文を呟き、
激しい頭痛と共に、
アレンの意識は
闇に落ちていった─────