レヴィオルストーリー2
第九章◆
『…やはり思い出してしまいましたわね』
真っ白なだだっ広い空間。
虹色の羽根を持つ精霊に、虹色の瞳と金色の瞳のオッドアイを持つ女性は話しかけた。
虹の精霊はしゅんとして羽根をしょげさせる。
『…助けてあげればよかった。掟は大切だけど…よく考えたらあっちだって破ってたのよ』
『自分を責めることありませんわ。わたくしが貴女に命令をしたんですもの』
有無を言わさぬ威厳ある響きを籠めた声。
精霊は顔をあげると微笑んだ。
『ファンリュジョンこそ。責めてるんじゃないの?』
その言葉に透き通るような綺麗な金髪を靡かせ、女性───世界ファンリュジョンの神、ファンリュジョンは笑った。
『わたくしは貴女みたいにクヨクヨしたりしなくてよ』
『…とんだ神様ね』
オホホホホ、と優雅に笑う神に精霊はそれしか言えない。