レヴィオルストーリー2
『…でも彼には辛い想いをさせましたわ。こんな意味のない争いで。
わたくしもそろそろ制裁を下しに降りることになりそう』
ファンリュジョンはそう囁くと、手のひらから光を出現させた。
不思議な魅力を持つオッドアイの瞳を細め、柔らかい笑顔を見せる。
その様子はまさに聖女。
『わかっていますわ。あなた方の息子を死なせるようなことはしません。』
その凛とした自信に満ちた声を聞き、光はゆらゆらと優しく揺れ二つになった。
しかしすぐにくっつき一つになる。
『……仲がよろしいこと。二人であの子の幸せを祈ってあげなさい。独りじゃないのよって、教えてあげなさい』
そう言うとファンリュジョンは、真っ白な空間と同化していた豪華な王座から立ち上がった。
虹の精霊はギョッとして彼女を見上げる。
『…許しませんわ』
─────それは、神が10000年振りに王座から腰を上げた瞬間だった。