レヴィオルストーリー2
クウェンナが現れたということは、あの女性が来るのも近いということだ。
アレンを利用してから殺そうとするだろう。
────それだけなら、まだいい。
それなのに………。
「……何で、今さら…!」
思い出せなかった自分に苛々する。
(あんな大切なこと、あいつに消されたからって忘れるなんて。)
────やばい。
とにかくやばい。
今思い返せばよくわかる。
あのダーチェスとかいう人はとてつもなく強い。
それに加えて残酷趣味っぽいし。
チッ、と舌打ちして、募る焦りを紛らわそうとした。
頭が響くだけだったが。
とにかく何とかしなくちゃいけない。
アレンはほんの少し頭痛がましになった頭を上げると、ベッドからゆっくりおりた。
どうやらここは自分の部屋らしい。
隣の勇者の執務室から話し声がするが、そこへ行く気にはなれなかった。
────今は、誰にも会いたくない。