レヴィオルストーリー2
慎重に、ゆっくりと。
白い板を叩き、声をかける。
「アレン?」
…返事はなかった。
(…気のせいだったのかしら。)
そう思いながらも、顔だけでも見ようとドアノブに手をかける。
寝ているかもしれない為、音を立てて起こさないよう気をつけて手に力を入れた。
しかし────……
──ガチッ
「……?」
開かない。
首を傾げつつ、再度チャレンジ。
…またしても開かない。
鍵が、かかっている。
(…え?)
何で?
一瞬思考停止状態に陥ったレイは、眉を寄せ扉を睨んで。
怪訝そうに不愉快そうに、上から下までじっくり見た。
(…鍵なんか閉めてないのに)
アレンをここに運んで、何かあるといけないから一応隣の部屋で話して。
執務室の扉は開けっ放しにしていたが、誰も廊下を通ったりはしなかった。
まさかアレンが自分で閉めたの?と、頭の中で考えてみたがクナルによるとまだ歩ける状態ではないとのこと。
目一杯考えたものの結果わからず、とりあえずレイは合鍵を出し鍵を開けた。