レヴィオルストーリー2

「お邪魔しまーす…」


小さく声をかけて、中に入る。


右手にあるベッドを見てみると、アレンはちゃんといた。




いた、のだが…………。





「………………………。」





…不自然な程に丸まっている。



奥の部屋では本が散乱しまくっていることから、ついさっきまで本棚を漁っていたらしいことがわかる。



わざわざ寝たフリなどしている割りに、



…………下手な誤魔化しだ。





「…あら。何で本があんなに床に散らばってるのかしら。」



ちょっと意地悪な気持ちになったレイは、気付いていないフリをしてみることにした。


思った通りピクリと微かに震えるアレン。



レイには頭が上がらないらしい。




「誰か部屋に入ったのかしら。…でも変ね。合鍵持ってるのは私とマケドニスだけだし…。」




その言葉に、アレンが布団の中でまずったと焦ったのは言うまでもない。





「そうだとしたら、大変だわ。すぐにギルク達にも言って調べなきゃ」



そう言ってレイは部屋から出ようとした。




────笑いを堪えながら。








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