レヴィオルストーリー2

イルはギルクに八つ当たり出来なくなると、腰かけていたソファーに置いてあるクッションに標的を変えた。


「うっさあぁあい馬鹿あぁあ!馬鹿馬鹿馬鹿あぁあっ!!大人なんか大っ嫌いっ、消えちゃえ~ッ」


そう喚きながら目にも止まらぬ速さで殴る殴る。

ギルクは恐怖におののいた。


「おいおいおいおい。マケドニスとかオージャスさんも大人だぜ?」


言いながら心の中で逃げた自分を褒めた。


逃げなかったら今頃クッションの二の舞になっていただろう。



「………うざい大人!一部!消えちゃえ~ッ!!!!」


イルは言い直してからクッションにトドメをさし、いくらかすっきりしたのか溜め息を吐くとバッと立ち上がった。


ギルクは何だ何だと彼女を見やる。



「あたしもアレンのとこ行くッ!」


高らかに宣言し、オレンジの髪の少女はいきなり猛ダッシュしだした。


いきなりすぎだ。


破天荒な行動に目を丸くしたギルクだが、扉に手をかけたイルを見てすぐに力ずくでやめさせた。




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