レヴィオルストーリー2

「……あ、アレンが…っ」


「アレンが?そんなに具合悪いのか?確かにまだ歩いたりはキツそうだってクナルも言ってたけど…」


「ち、違うのっ」



ギルクの声を慌てて遮るレイ。


じゃあ何で?と今度はイルが訊き、質問された彼女は深呼吸して二人の黒と茶の目を見つめた。




アレンがね、と切り出してまた泣きそうになりながら何とか話す。






「………アレンが、笑わなくなっちゃったの……」






思い出すのはさっきの彼の笑顔。



完璧な程に美しく、見惚れぬ者はいないだろうとさえ思われるあの微笑み。





しかしそれは、レイの知る彼の笑顔とはかけ離れていた。






────作られた、感情の籠っていないただの仮面だったのだ。











「…………は?え??」




ギルクがかなり余分に瞬きして聞き返す。


イルも目を白黒させ首を傾げていた。




「ていうかアレン起きてたの?」



彼女から真っ先に出たのがこの問い。


レイは頷くと床に視線を落とした。





< 659 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop