レヴィオルストーリー2
34.手引き
「………アレン様っ!」
ギルクとイル、レイの三人が思案を巡らせていると。
マケドニスの切羽詰まった声が聞こえてきた。
そのただ事ではなさそうな声色に、三人同時にバッと顔を上げる。
そしてまた三人同時に直ぐ様廊下に飛び出した。
「マケドニス!どうし…」
たんだ、と言おうとしたが、ギルクの声はまたしても遮られた。
目の前でアレンとクナルとマケドニスが、揉み合い争っていたのだ。
アレンが二人から逃げようとしているらしく、クナルは目を真っ赤に腫らしたままその腕を掴み、マケドニスは眉を下げ困り顔でアレンをがっちり押さえている。
レイとイルも目を丸くしてその光景を見つめた。
「駄目ですよアレン様!まだ休まなきゃいけません!!」
後ろからアレンを捕まえながら、必死に言うマケドニス。
「そうよ、普通ならまだ歩けない体なんだから」
クナルも涙声でアレンを説得している様子。
「…俺は歩ける、もう大丈夫。だから…」
「駄目です」
アレンの発言はマケドニスに遮られてしまった。