レヴィオルストーリー2
「……見事に騙されたな」
自嘲気味な声と口元だけに浮かべた笑み。
マケドニスはまだ成人もしていない自分の主人を見つめ、優しく笑った。
「そうですね。みんな驚いていますよ」
その側近の言葉に顔を上げると、アレンは笑みを消し変わりに少しホッとしたような表情を浮かべた。
一回目を瞑り息を深く吐き、珍しい碧の瞳でまたマケドニスを見上げる。
その光を称えた目は彼の『勇者』で『国王』という立場に相応しい、強く鋭いものであった。
「…あの二人はどこだ?」
静かで、それでいて強く威厳ある声。
その声で問われた質問に答えたのは、同じく強い瞳をしたギルク。
「鉄の地下牢だ。行くか?」
アレンは無言で頷いた。
立ち上がり伸びをすると歩き出そうとする。
しかし─────……
「……ちょぉ~っと待ちなさい。何スルーして行こうとしてるの?」
かなり怖い声でそう言ったクナルに、がっしり肩を掴まれ立ち止まった。