レヴィオルストーリー2

「…さっさと話聞いてさっさと帰そう」


アレンはそう囁くと、三人が中に入るのを見届けてから、自分も扉から手を離し歩みを進めた。

アレンがきちんと扉をくぐってから、重いそれは閉まっていく。


やがて大きな音と共に扉が閉まると、薄暗い床に光が灯った。


道を示しているようだ。



「あ~ん、もうやだぁッ!この床嫌いッ」

イルがプリプリ膨れてギルクの背中に飛び乗った。


この牢屋では魔法を使って抜け出せないように、魔力を無効果する特別な鉱物を使用しているのだ。



「鬱陶しいわね」

レイまでもが眉を潜めて床を睨んだ。


何やら感じるところがあるらしい。


封印をしているからかアレンは平気そうだ。

ギルクももちろん魔力がない為何も感じない。



「外で待ってるか?」

「嫌よ。アレンに着いていくわ」


訊いてきたアレンにレイは即答した。



「おいアレン。微妙に顔赤いぞぉ?」

「…っるせぇな」


からかわれたアレンはスタスタと先に歩いて行ってしまう。


その背中を見ながらギルクとイルはにんまりし、レイは彼と同じく赤くなった。




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