レヴィオルストーリー2
三人を置いて先に進んだアレンは、ある一角で足を止めた。
ここだけ中から明かりが漏れている。
二つの鉄格子の向こう側に、ロレスウェルとモスウェルが別々に入れられていた。
二人はアレンに気付いてむくりと顔を上げる。
「──……勇者様の登場ってワケね」
ロレスウェルがにぃっと笑ってその勇者を見上げた。
アレンは不愉快そうに眉を潜めると、形のいい唇を開く。
「……最初に訊く。ルルアンに接触して唆したのはお前らか?」
そう問うと冷たい灰色の床に胡座をかいて座り込んだ。
「おいおい、いいのか。国王がそんな床に座ってよ」
モスウェルが笑みを消して言ったがアレンは無視した。
「答えろ」
「……そうだ。あんたの優しい心遣いのおかげで城に潜入できたと思ったら、いつかのエルフがいたからさ。
ブエノル様に報告したら利用価値があるとかで、そうしろと命令された。」
無視されたモスウェルは肩を竦めてみせてからご丁寧にかなり細かく教えてくれる。
“利用価値”という言葉にアレンはあからさまに不機嫌さを顔に出した。