レヴィオルストーリー2
「…まだ8歳の子供を国規模の争いに巻き込むのかよ」
「あたしらは金さえ貰えれば良かったから」
これまた悪びれる様子もなく言う元使用人。
アレンは溜め息をつくとこめかみを指で押さえた。
めちゃ厄介だとでも言いたげだ。
そこに遅れてレイ達が追い付いてきた。
アレンが床に座り込んでいるのを見て呆れたような顔をする。
レイがアレンの傍らに膝をつき、彼の肩に手を置いた。
「アレン。そんなとこ座ったら冷えちゃうわ」
「…立ってんのだるいから。こっちのが楽」
だるいの意味がめんどい方なのかしんどい方なのかよくわからない。
しかし言って素直に聞く相手ではないことはレイもわかっている為、それ以上は何も言わなかった。
アレンに寄り添い、二人のスパイに目を移す。
「………ヒッ」
何故か二人は悲鳴を漏らした。
「……あ?何??」
スパイ二人がレイを恐がっているのを見て、アレンは怪訝そうに恐がられている彼女に目を向ける。
レイは恐ろしい程美しい黒い笑顔で、牢屋の中の二人を見ていた。