レヴィオルストーリー2
アレンはしばらく暗く見えない廊下の先を睨んでいたが、やがて表情を緩め口を開いた。
「……ルティ」
え?と振り返るレイ達三人。
耳を澄ますと、確かに誰かの足音がする。
「よぉ、アレン。大丈夫か?」
そんな言葉と共に現れたのは、数多の海賊の頂点に立つ男ルティ=オルディナだった。
藍色の目で心配そうにアレンを見る。
その目は親が子を見るような、優しい瞳だった。
「………うん。どうやってここに?俺とマケドニスしかあの扉は開けない筈なんだけど」
一瞬彼の視線に戸惑ったものの、アレンは答えて逆に問う。
ルティはあぁそれはだな、と前置きすると、簡潔に理由を口に出した。
「お前の父さんの時代に教えてもらったんだ。
あの時は荒れた海賊がやたらといてな。
俺がそいつらを連れて来る度にここを開けるのがめんどくなったウィスカが、自分でやれって勝手に教えてきた。」
大袈裟にでかい声で笑うルティ。
相変わらずなようだ。
「……めんどくなったって。ウィスカ様アレンみたい」
「いやまぁ親子だしなぁ」
ギルクが苦笑いしながらイルの呟きに言葉を添えた。