レヴィオルストーリー2
「それがたとえ敵でも、…憎い人だとしても。
誰かが死ぬのを見るのは、もう嫌だ…」
思い出すのは母やあの街の大人達、それにシルラやルシアン。
もちろん自分が倒した魔王もその配下も。
大人達や魔王やその配下は憎かった。
今だって思い出せば殺気が沸き立ってくる。
それでも大人達に関してはあんな無惨な死に方は酷いと思うし、魔王やその配下を殺したのだっていい気分になる訳がない。
魔王だろうが何だろうが、生命を奪ったことに変わりはないのだ。
だから真っ黒なアイツを倒したときの話をするのは嫌い。
誰かに凄いなどと褒められても、残るのは嫌な気持ちだけ。
ふと、目の前のロレスウェルを見て。
まだ着ている使用人の服にシルラを重ねてしまった。
「………………。」
記憶の中の赤い二つの光景が重なる。
「…………アレン…」
ルティが少し眉を下げてその頭を軽く叩いた。
そしてその顔を覗き込む。
「………アレ…ン?」