レヴィオルストーリー2
アンナを見つめ、アレンは戸惑いながらも口を開く。
「……えっ、と。父の…知り合いですか?」
その問いに頷くと、アンナは嬉しそうに話し出した。
「はい。彼にもお世話になりました。
私達がルルアンをレヴィオル国に送ったのも、彼なら何とかしてくれると思ったから。」
「でも代替わりしてたんですね。
息子さんが勇者になるなんて彼も喜んでいるだろう」
ローレムが話を引き継いだ。
二人共かなり嬉しそうに始終笑顔だ。
そんな中でアレンの表情が曇ったのを見たのはギルクだけだった。
「彼は元気ですか?」
ついにアンナが訊いてきた。
言えば気まずくなるのも笑顔がなくなるのもわかっている。
だから父の顔が広いのはアレンからしたら厄介だったのだ。
(どんだけ知り合い多いんだよ父さん)
心の中でアレンは溜め息をついた。
そして、目の前の笑顔を奪うであろう言葉を口にする。
「……父は亡くなりました。12年前に。」