レヴィオルストーリー2
───広い王の間に静寂が訪れた。
ギルクに寄り添いムッと顔をしかめるイル、
そのイルより激しい怒りの表情を浮かべたギルク、
アレンに寄り添う悲しそうなレイ、
アレンを見つめ眉を下げっぱなしのマケドニス。
そして、側近の言葉と共に目を伏せるアレン。
五人の様子を見たサリルナ教皇は何か察したのか、先程の穏やかな笑みとは全く違う厳しい表情になっていった。
話が聞こえない程度に離れた臣下が、教皇の変化に驚き微かなざわめきを作る。
「……お知り合いですの?」
棘のような鋭い言葉が、主にアレンとマケドニスに襲い掛かる。
アレンは一度目を瞑り息を深く吐くと、母からの遺伝の碧眼で教皇を真っ直ぐ見上げた。
白い美人は一瞬息を呑む。
その強い輝きは、彼女の永遠の親友のそれと同じ光を持っていた。
「……知り合い、というより。
俺ら…いえ、俺の敵です。」
言い直したアレンにあとの四人はハッと顔を上げる。
しかしアレンは気付かないフリを決め込んだ。