レヴィオルストーリー2
「貴方の…敵?」
「はい。俺の、昔からの…知り合い。」
「……そうですか」
アレン達の様子にあまりいい想いはなさそうだと感じたのか、教皇はそれ以上は何も言わなかった。
言えなかったというのもあるかもしれない。
俯いたアレンの感情を圧し殺した無表情を、確かに白い瞳に映してしまったから。
「防げなくて、すみませんでした。」
「いいえ。私達もできませんでしたから。ダルヌク国に送り込んだ子も殺されてしまいましたわ…。
あちらに何か動きがあれば知らせるって、言ったのに。こちらこそすみませんでした」
教皇はアレンの言葉にそう返すと、ゆっくり頭を下げた。
アレンは特に慌てる素振りもなく、深く腰掛けたまま微動だにしない。
「…終わったことですから。謝らないで下さい」
それだけ言うと使用人が持ってきた紅茶を飲む。
レイが隣で上目遣いに見上げてきたが、そこは何とかスルーした。