レヴィオルストーリー2

教皇は顔を上げ数回瞬きすると、にっこり微笑み頷く。


「そうですわね。そうしときますわ。」


穏やかに言ってみせるとアレンを見て優しく目を細めた。

口元に片手を宛て、嬉しそうにおしとやかに笑みを溢す。



「それにしても、あの科学大国のダルヌク国を一日で抑えるなんて。
さすがですわね」


その言葉に何故かギルクとイルが照れたが、そこは無視。


「…いえ。正直、ブエノルが諦めたという確信がありません。」


アレンは否定してから、顔をしかめて視線を落とした。



彼が言うそれは今後に関わる最も重要な問題。


確認しようにも嘘をつかれる可能性もある。


対面ならそんな嘘も見破れる筈なのだが、さすがに今はレヴィオル国とダルヌク国だけの会談はまずい。




アレンが黙っている間にマケドニスがそれを話すと、サリルナ教皇はまた微笑んで心配ありません、と言い張った。



「……え?」



アレンはきょとんとしてそれを見つめる。



教皇がローテーブルの上に、白い封筒を丁寧に置いた。







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