レヴィオルストーリー2
37.三国会談
雲一つない青空。
その下で、一台の馬車がゆっくり停まった。
「着いた着いたぁ~ッ♪ひゃっほぉッ♪」
停まった、そう思った瞬間にオレンジの物体が勢いよく飛び出してくる。
列を作りお迎えの準備をしていた使用人達は虚を突かれ、目を丸くし挨拶するのを忘れてしまった。
「おいイル~!飛び出すなって言っただろ~!赤信号は渡っちゃいけねぇんだぞ!」
オレンジに続いて赤が出てきた。
何だかよくわからない注意をしながら、オレンジもといイルを捕まえる。
「やぁ~だぁ~!離してッ!あたしは自由になったのッ!篭から放たれた鳥ッ!!」
鳥は相当馬車の旅が退屈だったらしい。
羽ではなく両腕をバタバタ動かし、無駄に暴れまくった。
「ぅぐっ、痛ぇ!腹に入った!腹に入った!」
「……何騒いでるの?」
悶え苦しむギルクに救世主登場。
レイが優雅に馬車から降り、使用人達に軽く頭を下げると冷えきった声を二人に浴びせた。
しばらく彼女に見とれていた使用人達は、ハッとして慌ててきっちり揃った礼をする。