レヴィオルストーリー2
「れ、レイ、助けてくれぇ…。鳥が逃げる!」
「…鳥?なぁにそれ」
レイは暴れるイルに対し「私は関係ありません」みたいな態度を決め込むと、ギルクだけに目を向けた。
それを目ざとく見ていたイルがまたまた暴れて騒ぎだす。
「レーイー!ひっどぉぉい!あたしのこと見てーぇッ!?」
「ぐはッ!だから腹に入るって!しかも今度は肘かよぉぉ!!」
「私は関係ありませんから。何も聞こえない何も見えないわ」
そんな感じにぎゃあぎゃあきゃあきゃあ騒ぎだした三人(二人)に使用人らはポカンと呆けた顔。
誰もこの人達は止められない。
どうしましょうかとトップさんが困り果てたときだった。
「………………おい」
不機嫌そうな低い声。
それと共に、馬車からレヴィオル国第44代目勇者のアレン=ブロドニスが降りてきた。
その場の全員が固まる。
使用人らはその美貌に。
ギルクやイル、レイらはあからさまに機嫌が悪いその表情に。