レヴィオルストーリー2
そして、再び入って来た使用人の後ろからダルヌク国首相ブエノル=オ=ケリストンが顔を覗かせた。
「これはこれは皆さんお揃いで。遅れてすみませんでしたね」
あのニヤニヤ笑いをしながらゆったりとした動きで腰掛ける。
ビシッと着たスーツの隙間から包帯がちらりと見えた。
キレたアレンの攻撃は相当凄まじかったようだ。
「ようこそお越し下さいました、ブエノルさん」
サリルナ教皇がにこやかに挨拶をする。
普段ならここでアレンもするのだが───……
「………アレン?」
ギルクが不思議そうにアレンを見やる。
彼はブエノルに顔を向け、驚きに目を丸くしていた。
若干表情に恐怖が混じっているのは気のせいではないだろう。
「アレン様、どうしたんですか」
マケドニスも訊くがアレンは返事をしない。
しかもレイまでもが怪訝そうに首相を睨んでいるのだ。
「………私に何かついていますかな?」
ブエノルは相変わらず嫌な笑みを浮かべながら二人に言った。
ハッとしたアレンは表情を無にして首を横に振る。
「……………いいえ、何でも…ありません」