レヴィオルストーリー2
38.はためく白の予感
豪華に飾り付けられた大広間。
ガヤガヤと賑やかに笑い話す人々。
丸テーブルに載るたくさんのご馳走。
そして、
「………………。」
………女性達に囲まれて、無言を突き通すアレン。
ことの発端は三時間前。
ダルヌク国と平和条約を結び、会談を終えたアレン達に飛び付いてきたイルがこう言ったのだ。
『パーティーだってッ!パーティーパーティ~~~♪♪』
何でもレヴィオルに来たときにあまりにもイルが騒いでいた為、教皇がサプライズで用意していてくれたらしい。
鬱陶しい女性の大群にうんざりしていたアレンは、しかし立場上露骨に嫌な顔も出来ず困り果てていた。
誰か助けてくれないかと皇国自慢の大広間を見渡す。
最初に見つけたギルクとイルは、公衆の面前にも関わらず二人でイチャイチャ。
マケドニスは酔ったクナルを一生懸命抑えている。
教皇はニーナと話すのに夢中だし、誰もアレンの状態に気付いていないようだった。