レヴィオルストーリー2
絶望的な気分な中、アレンは重大なあることに気付く。
(…………あれ?)
────レイが、いない。
慌てて見渡しまくる。
キョロキョロせわしなく視線を動かし、そして、やっと見つけた。
閉まっているガラスの扉の向こうのバルコニーに、一人ただずんでいる。
「………すみません」
やっと喋ったアレンに囲んでいた女性達がきゃぁきゃぁ騒ぎだした。
「お声もカッコいいのですね!」
一番ケバい女が本人の前で照れもせずに言ったが、アレンは無視。
女の壁をかき分けレイがいるバルコニーに足を向けた。
女性達は途中までは着いてきたが、アレンの目指す先にいる美少女を見て諦めたらしい。
アレンはホッとしながら、ガラス張りの扉をそっと開けた。
「レイ」
このパーティーが始まって以来一度もあの女性達に聞かせていない、優しい声色で彼女の名を呼ぶ。
レイは振り返ってアレンを認めると、華やかな笑顔を覗かせた。