レヴィオルストーリー2
「…………………」
アレンの顔付きが変わった。
レイやギルク達でしか気付けないような、極僅かな変化。
しかし確かに綺麗な顔に浮かんでいた柔らかな表情を歪めたのをレイは見た。
その彼の様子に確信したレイは更に畳み掛ける。
「……誰かに魔法かけられてたわよね。誰かわかるの?」
「……知らない」
ピアスを弄くりながら目線を逸らすアレン。
……怪しい。怪しすぎる。
「……アレン。どうしてそんなに気にしてるの?貴方が不安になる程強い人?」
「…知らないってば」
「嘘付かないで。私に嘘付こうったってそうはいかないわよ」
レイの目が据わっている…。
ちょっぴり怒りぎみな彼女に若干恐怖しながら、それでもアレンは口を開こうとしない。
痺れを切らしたレイが更に問い詰めようとしたときだった。
「………レイ」
彼女の名前だけ呟いたアレンの腕が伸びる。
何が起きたのか最初は理解出来なかったレイだが、抱き締められていると気付くのにそう時間はかからなかった。