レヴィオルストーリー2
「どうしてそんなに言いたくないのよ。アレンの知ってる人なんでしょう?」
「思い出すだけで吐き気するから」
「……酷いのね」
苦笑したレイはそれ以上は何も言おうとしなかった。
(あれ、成功?)
こんなんだったら最初からそう言っとけば良かった。
後悔するアレンの腕からすり抜け、レイは大広間に入るガラスの扉に手をかける。
……中にはまだ男女の集団がいた。
「………チッ」
「え、なぁに?どうしたのアレン」
舌打ちしたアレンに面食らったレイは振り返って不安そうな顔をする。
それがめちゃくちゃ可愛い。
綺麗にも可愛いにも当てはまるレイは見事にアレン以外の男のツボも抑えている。
「………別に」
「私…鬱陶しかった?」
「レイじゃないって」
眉を下げて見上げてくるレイに思わず頬が緩んだアレンは、優しい目で彼女を見ながら言った。
すると照れ臭そうに頬を染めてクスクス笑う。
その反応や仕草、というより存在自体が、とてつもなく愛しい。
もう抜け出せない程にレイが好き。