レヴィオルストーリー2
閉めていたガラスの扉をまた開く。
バルコニーに出ようとしたが、そこで一度振り返った。
「………ごめん、レイ」
呟いた本人にしか聞こえないような小さな囁き。
それは愛しい人に対する謝罪の言葉。
少しもの惜しげにパーティー会場となっている大広間を見渡してから、アレンはバルコニーに足を進めた。
軽くジャンプして柵の上に立ち、下を見下ろす。
「……何のつもりか知らねぇけど…、出てきたからには行かせてもらうぞ」
そう無表情に呟くと、またジャンプして三階であるバルコニーから地面に軽々と降り立った。
そのまま一方向を睨み、ゆっくり歩みを進めていく。
やがてそのアレンの姿は、暗い闇の中に消えていってしまった。
────北の、方向に。