レヴィオルストーリー2
「……………あら?」
アイスティーと一緒に戻ってきたレイは、小首を傾げてキョロキョロ辺りを見渡した。
「アレン?どこ?」
そう、ここにいた筈のアレンがいない。
試しにバルコニーの中を覗いてもその姿は見当たらなかった。
「変ね…。扉が開いてるから外で待ってるのかと思ったのに。」
(まさか自分でお酒をとりに行ったのかしら)
そう考えたレイだが、大広間にもアレンはいなかった。
とりあえずここにいたら来るかななどと予測しバルコニーで待つ。
柵に器用にアイスティー二つをのせ、眺めていたところでふとあることに気付いた。
「………?」
柵の上に擦れたような跡がある。
たぶんこれは靴か何か。
「……えっ、誰か自殺したの!?」
慌てて下を見下ろしたが、誰も倒れてはいなかった。
ホッと安心しながらも、別の言い様のない不安が押し寄せてくる。
「…………アレン…?」
ポツリ、とその名を呟き。
嫌な予感に身を震わせ、レイはもう一度大広間に目を向けた。
開けっ放しの扉から風が入り、白いカーテンをはためかせている。
まるでこれから起こることの激しさを表すかのように、
パタパタと大きく揺れて───……