レヴィオルストーリー2
39.北へ
「んん~ッ♪ご馳走最高!パーティーキャッホ~!!」
「キャッホ~ッ!!」
豪華な装飾だらけの大広間に響く声。
ちょっと場違いなこの言葉の主は───
「は~いギルク、あ~ん♪」
「あ~ん♪」
…やっぱりこのバカップル二人。
ギルクに「あ~ん♪」しながら自分もご馳走をハイスピードで食べるイルを、周りの大人は驚きの表情を浮かべながら遠巻きに見ていた。
こんな細いくせしてどこにそんだけ入るんだ、とでも言いたそうだ。
食べるものが甘いモノばかりなのが更に信じられない。
そんな視線には気付かず食べてイチャイチャに集中していた二人。
しかしその幸せは長くは続かず、呆気なく崩されてしまった。
「ギルク、イル!ちょっと来て!!」
そう言って有無を言わさず襟首を掴んできた美少女───レイによって。
「うごぉッ!?待へ!待へよヘイ!!」
「待てはなし!来てったら!」
「首閉まるうぅ!イルちゃん死んじゃうわ~ッ!!」
「それだけ元気なら大丈夫よ!」