レヴィオルストーリー2
白き美女は少し考えてから顔を上げると、レヴィオル一行ににこりと笑いかけた。
「それなら馬車を出しますわ。どうぞ乗って下さいな」
その提案にイルとギルクの目が爛々と輝き出す。
「まじですか!ありがとうございます!!」
ギルクがハイテンションに礼を言い、直ぐ様ニーナが用意した。
その準備の早いこと。
従者は場所を告げられても理由は聞かず、ただ頷くと黙々と馬に手綱を付けた。
「それじゃあ行ってくださいな」
全員が乗ったのを確認して、教皇が従者に声をかけた。
ややあって馬車が動き出す。
皆がそわそわと窓から外を見ている中、一人だけ何故か冷静な教皇が言った。
「ニーナ、貴女は着いても馬車にいなさい」
「…? はい」
かなり真剣に言う教皇にニーナは小首を傾げる。
「それと皆さん、いいですか。
アレンがいたらとっちめるのですよ。
有無を言わさず連れ帰ります。
──何がいたとしても。」
教皇の意味深な言葉。
その意味を、まだ一行は知らなかった。
───わかって、いなかった。