レヴィオルストーリー2

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「……ここ…?」



レイ達が馬車で出発してから少し後。


ひたすらに北に向かう“あいつ”を追っていたアレンは、やっとそいつの姿を認めることができた。


誰なのかはわかっていたから、さほど驚かない。


しかし自分が誘導されたこの場所が普通ではなかった。




「神域…」

「そうだよ、アレン。こっから先は神域だ」


アレンが追っていた『あいつ』が答えた。


神域というのは北のノーアス大陸に場所を広げる、名前の通り神の域。

この神域の先の一番北にある神の塔に、世界の神ファンリュジョンがいるとされている。




「……クウェンナ」


自分よりその神域よりに立っている『あいつ』──クウェンナを睨む。

黒い髪を四方八方に跳ねさせた彼は、独特なそのグレーの瞳を口の端と共にニヤと細めた。



「クウェン兄、じゃなくなったのかい?」

「…俺の思ってたクウェン兄はもういないから」

「フーン? で、何か用か??」



──わかってるくせに。


アレンはわざとらしい青年に少しばかり苛々する。




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