レヴィオルストーリー2
(何企んでんだ…。)
この余裕っぷりがかなりムカつく。
正直自分には余裕などないのに、何故そんなにも楽にいられるのか。
何故そんなにも楽しそうなのか。
「……そろそろムカついてきちゃったかい?」
アレンの様子を見たクウェンナが、またまたにやりと笑いながら訊いてきた。
彼は返事の変わりに剣に手を宛てるアレンに苦笑いする。
「わかってるよ、仲間のことだろ。手は出すなってか?
それは俺にする相談じゃないね」
「――…!?」
アレンは今自分が話している相手の後ろを見て驚きに目を見開いた。
クウェンナの意味深な言葉と共に、真っ黒な空間が現れたのだ。
見覚えのあるその魔力の性質。
それよりもアレンを驚かせたのは、そこから現れた美しい女性。
「――…久しぶりね。
アレン=ブロドニス…。」
“彼女”はそう言うとにっこり笑った。
確かにアレンの記憶の中にある、黒い髪と不思議なオッドアイの女性────。
彼女こそが、アレンの今最も恐れる
“闇王”ダーチェスだった───…。