レヴィオルストーリー2
「ネオ…??殺した??」
そう、そこ。
アレンにはそんな名前の人物を殺した覚えはない。
何のことを言っているのかわからない様子のアレンに、ダーチェスは笑みを向けた。
───艶やかで、恐ろしい笑みを。
「…そう、ネオ。かつて私が愛した人。
ネオディリティスって名前なのよ。知らない?」
尚も笑顔を向けるダーチェスの問いかけに、アレンはしかめっ面して首を横に振った。
すると彼女は満足そうに口元を吊り上げ、また話をする。
「そりゃそうよね。あの人の本名を知っているのなんて私達くらいだもの。
ネオディリティスはね…、そうね、黒が好きだったわ」
「………黒?」
いまいちよくわからない。
好きな色などで人物を割り当てられる訳がないのに、ダーチェスは何故そんなことを教えてくるのか。
しかし次にダーチェスが言った言葉で、アレンはその意味を理解することになった。
「…黒。それが好きだから、全身その色に染まってたわ。
……心も、かしら。」