レヴィオルストーリー2

ダーチェスが話している間、アレンは黙って彼女とその隣にいるクウェンナを見ていた。


自分の兄的存在だったクウェンナは、つまらなさそうな、どこか切なそうな表情を浮かべている。


しかし鈍感アレンにはその意味はわからなかったのだった。


どうしたんだと不思議がるアレンに気付いているのかいないのか、ダーチェスは自分が話したいことをとことん喋る。



「…ネオは人であることと名前を捨て、魔王と名乗った。

彼は自分だけの国を創ろうとしていたわ。

でも自分の出身地と神がいる北と南の大陸はどう考えても無理。
東のイースウォト大陸は天使と悪魔の対立があるから面倒なことになる。

結果たどり着いたのが西のウェンスト大陸。
色々と準備をしながら、『魔王』はあの42代目勇者がいなくなるのを待っていた…」


「………42代目」



今まで口を挟まなかったクウェンナが急に呟いた。


アレンは驚いて彼を見る。



「アレンの父さん、だったっけ」


そう訊いてきたクウェンナに、アレンは明らかに動揺した。




< 761 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop