レヴィオルストーリー2
「……知ってた…のか?」
「まぁね」
「いつから…」
「お前に会う前からだよ」
いつもならヘラヘラしながら言う筈のクウェンナだが、何故か切なそうな哀しい笑顔で答えた。
その意味がわからないアレンはただ動揺を隠す為に無表情になるだけ。
「……お前が必死に父さんを探してるときも、黙ってた」
そう言ったクウェンナはアレンに向かって真っ直ぐ目を向けた。
クウェンナのくせに、慈悲深い優しい瞳。
「……何で…?お前らの計画か何かの妨げにでもなったのか??」
彼の視線に戸惑いながらも、アレンはその目を見返し質問した。
するとクウェンナはゆっくり首を横に振り否定する。
「…言ってもよかったけどさ。もう死んでたんだしお前が知っても余計辛いだけじゃん?」
──…予想外の返答。
その発言に、アレンは固まった。
(………は?何て…)
散々殴って傷付けて裏切ってきたコイツが、何で今になってそんなことを言うんだ。
「………嘘、か」
そう結論付けたアレンに、クウェンナはまだ優しい視線を送っていた。
しかしそれはダーチェスが彼の肩に手を置いた途端なくなってしまう。