レヴィオルストーリー2
「…ちょっと私もおしゃべりがすぎたわね。クウェンナ、貴方もそこらへんでよしなさい。」
「…はい、ダーチェス様」
主人を見上げるクウェンナの目が、先程の優しいものから恍惚としたものに変わった。
それを見ながらダーチェスは紅い唇を開き、アレンに話しかける。
「貴方の仲間に手出しをしないっていうの、承諾してあげる。条件があるけど、ね」
「…条件?」
サッとバレないように剣に手を添え、アレンはおうむ返しに聞き返した。
美しい女性は艶やかな笑みを浮かべながらアレンに視線を移す。
「そう。条件。
…私達と一緒に神の塔へ来なさい。」
そう言ってにこっと笑ってみせると──アレンに向かって手を差し出した。
それを取ってこっちへ来い、とでも言うように。
その様子をクウェンナがジッと見ている。
「……神の…塔…」
それを聞いた瞬間相手の目的がわかったアレンは、無意識に首筋に手を宛てた。
今中途半端に解放している魔力を普段封印している、魔方陣のような小さな刻印がそこにある。
ダーチェスはアレンが封印の印に手を宛てたのを見て、満足そうに頷いた。