レヴィオルストーリー2
それから彼女は手をヒラヒラさせると妖艷に微笑む。
「頭のいい男は好きよ。その頭でよく考えなさい、どうした方が自分と仲間にとっていいのかを」
「……………。」
クウェンナとダーチェスの視線を浴びながら、アレンは無言で差し出された手を見つめた。
あの手を取れば、仲間は傷付かずにすむ。
逆に振り払えば、仲間は傷付けられ自分も無理矢理に連れて行かれるだろう。
(……どっちがいいか…)
「……そんなの、決まってる」
小さく、しかし二人に聞こえるように呟いたアレンはニッと笑って顔を上げた。
それから剣を抜いて構えると、
「俺は行かない。こいつらと戦う」
そう言って、後ろから飛び出してきた人影と横に並ぶ。
「当ったり前だ!行くとか言ってたらボッコボコにしてたぜ親友!!」
「逆にやられるんじゃないのぉ?」
「俺もそのボッコボコに参加するところでしたよ」
「私も入ってたわね」
「私は危うく毒薬作るところだったわ」
アレンの横に並んだ人影───ギルク、イル、レイ、マケドニス、クナル。
彼らは口々にそう言うと、アレンに向かって笑いかけた。