レヴィオルストーリー2
42.兄弟愛
「……あらあら」
揃ったレヴィオル一行を見て、ダーチェスがクスクスと愉しそうに笑う。
「いいの?この場で仲間殺しちゃうわよ??」
「…こいつらはそんなヤワな連中じゃない。」
そのアレンの言葉に、ギルク達は嬉しそうににっこり笑顔になった。
それぞれギルクとマケドニスは武器を構え、イルは杖を出しレイは魔力を準備する。
意外にもクナルも魔法を待機させていた。
「…仕方ないわね。クウェンナ、手伝ってちょうだい。
神の塔まで半殺しでもいいから引き摺って行くわ」
「はい」
クウェンナも魔力を待機させ、戦闘体勢を整える。
ダーチェスは余裕なのか、腕を組んで艶やかに微笑んでいるだけだが。
緊張感が張り詰める中、クウェンナを睨んでいたマケドニスがアレンを小突いた。
「……アレン様」
「ん」
「教皇は逃げろ、とおっしゃっていますが」
「…逃げれる相手じゃないだろ」
「ですよね」
さっさと諦めたマケドニスはちょっと溜め息をつくと、またクウェンナを睨み見る。
それからたぶんこれが一番言いたかったのだろう、アレンに向き直ってきっぱり発言した。
「クウェンナは俺が倒します」