レヴィオルストーリー2

「本当に、それくらいあの人が好きなんだ。
あの人が人じゃなくたって、そんなのどうでもいい。

従うことで傍にいられるなら、俺はあの方にとことん従う。」

「…アレン様を裏切ったのも、命令されたから?」


話を聞いたマケドニスは、自分が誤って見てしまった主人の過去について切り出した。

あの過去でクウェンナはアレンを殴り切りつけ、散々痛め付けた挙げ句刺し殺そうとした。


それなのに、



「……そうだよ」



───そうやって、悲しそうに笑う。




クウェンナはどこか寂しそうに、しかし柔らかく笑んでいるのだ。


彼は少し目線を外し、それを離れた場所で戦っているアレンに向けた。

戦闘に夢中なアレンはやはり気付かない。


マケドニスは彼を見つめるかつての親友を見て、確信に近いものを得た。



そしてそれを『確信に近いもの』から『事実』にするべくクウェンナに問う。






「……じゃあ、何で。


何でそんなに優しい目で、アレン様を見るんだよ」





< 769 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop