レヴィオルストーリー2
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「…は?」
アレンはたった今マケドニスから聞いた、頭痛を引き起こしそうな報告にあからさまに眉根を寄せた。
「ルルアンとルルがいない…?」
レイも怪訝そうな表情で繰り返す。
「はい。夕食の時間になっても来ないので使用人の一人が部屋に行ったのですが、もぬけの殻で。
城中をくまなく探しましたがおりません。」
そんなマケドニスの言葉を、イルとギルクは何故か楽しそうに聞いている。
まだ執務室で仕事をしていたアレンのところに三人が居候しはじめたのがつい30分前。
もう外はすっかり暗くなり、時計の短針は『10』の数字をきっぱりと指し示していた。
「…抜け出した、ってことか。」
アレンが溜め息をついて額に片手の手のひらを宛てる。
「迷子にでもなったのかしら」
レイも困ったように囁く。
「ルルがいるんだったら戻って来そうなのに~」
そうイルが溢すと、
「ルルの方がルルアンより賢そうだしな!」
と、ギルクが笑いながら言う。