レヴィオルストーリー2

「それが嬉しくってさ。…その頃にはもう弟みたいに可愛がってた。
必死にたどたどしく喋るちっこいアレンを、気付いたら物凄く大切に思ってて。」


それからクウェンナはアレンからマケドニスに視線を移し、にっこり笑った。



「あいつが必死に訴えるから、俺も本気で言葉を返した。
俺はあいつの父さん──42代目勇者が死んだのを知ってたから、それは母さんには聞かないほうがいいって言ったし。

しかもアレンさ、いちいち素直に俺が言ったこと守るんだよな。
可愛いくて仕方なかった。


俺はダーチェス様の命令に従う。だけど、それに背かない程度にアレンも守った。」


俺って役者になれるよな、そう言うとクウェンナは喋りに喋った口を閉じた。

マケドニスは予想以上の彼の想いに少し驚き目をしばたかせる。



「…じゃあ、刺し殺そうとしたのは?」

「あれはカッとなっただけさ。身も心もズタズタなアレンにキレちゃったワケ。」


年上として駄目だよなぁ~とか何とか言って苦笑するクウェンナは、それから話は終わりだとばかりに大剣を構えた。


マケドニスも双剣を握るが、どちらも足を踏み出さない。





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