レヴィオルストーリー2
43.苦戦と休戦と
一方、アレン達とダーチェス側の戦闘。
最初にダーチェスが放った黒魔法をイルが白魔法で弾き火蓋が切って落とされたそれは、ダーチェスの優勢となっていた。
比較的近距離戦なアレンやギルクは切り傷や打撲傷が目立つし、遠距離戦なレイやイルもダーチェスの魔法によってかすり傷が腕やら足やらについている。
しかし黒き美女には傷一つついていない。
「ほらほら、そんなヤワじゃないんじゃなかったの?」
余裕そうに微笑むダーチェス。
彼女は結界で攻撃を防いでいるワケではない。
アレンの剣術には魔力で創った剣で、ギルクの体術にはこちらも体術で、イルの魔法には魔法で、といった感じに返して来るのだ。
ちなみにレイの精霊にも、もちろん精霊で。
彼女は五大精霊の一つ、闇の精霊を呼び出していた。
「…くっそぉ、強ぇ!何だよあの強さ!半端ねぇじゃねぇか!!」
太刀打ち出来ないことにイライラしたのか、ギルクが不機嫌さMAXで喚きだした。
同時にイルも便乗しだす。