レヴィオルストーリー2
「あちら攻撃体勢ですが!どうしますイル隊長」
「そうねー、じゃあ結界張るからそのまま突っ込んでぇ」
「ラジャー!」
やっぱりふざけてるっぽいギルクとイルは、ダーチェスが魔法を発する迄の短い間に超早口でそんな会話をしてみせた。
アレンはその早すぎる会話を聞き取れなかったらしく、怪訝そうな顔をしている。
「…あいつら何て?」
結局、隣にいるレイにそう訊くのだった。
その質問にレイはちょっと眉根を寄せて難しい表情をすると、アレンを見上げる。
「…私もわからなかったわ。だけど、いい予感はしないわよね」
「…やっぱり?」
おバカップル二人の行動が何となく読めたらしいアレンとレイ。
彼らは無謀すぎる仲間の作戦に顔を見合わせると、深く溜め息をついてフォローする為それぞれ構えた。
レイは剣を握るアレンに目を向けず、イル達を見たまま話しかける。
「アレン、魔力使わないのね」
「…途中でぶっ倒れたら意味ないからさ」
遅れて返ってきた返事にレイは黙り込んだ。
(…また、何か隠してる)
彼女はちょっと膨れたが、直ぐに意識を戦闘に切り替えギルク達を見つめた。