レヴィオルストーリー2
「……あ…」
思わず、そう声を漏らしたのはアレンの隣にいるレイ。
彼女は樹に背を預け、戦いに破れた敗者を見つめていた。
「……クウェンナ」
ダーチェスがその敗者に声をかける。
親友だった二人の戦い。
その命をかけた勝負に勝ったのは、マケドニスだった。
勝者であるマケドニスも傷だらけで結構な怪我を負っているが、何とか立ってかつての親友を見下ろしている。
そして、そのままその場にしゃがみこんだ。
「……っマケドニス!」
慌ててアレンが駆け寄る。
マケドニスは自分を支える主人に目を向け、小さく笑顔を見せた。
それからまたクウェンナへ視線を戻す。
アレンも同じようにそうした。
「……おい、クウェンナ。お前、アレン様に…言うこと、あるんじゃないのか?」
うっすら目を開き、アレンを見つめるクウェンナにマケドニスはそう言う。
するとクウェンナは力なく笑った。
───首から大量に血を流しながら。
「……今さら?」
そう言ってダーチェスに目を向ける。
闇王は自分の配下を認めると、アレン達と同じようにその傍らにしゃがんだ。